大船渡湾に浮かぶのはカモメかウミネコか

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大船渡湾に浮かぶのはカモメかウミネコか

 大船渡出身・新沼謙治の歌う大船渡音頭の出だしは「白いかもめと椿の紅に・・・」、今や大船渡のみならず東北を代表する銘菓となったのはさいとう製菓の「かもめの玉子」。地元・酔仙酒造の焼酎も「鴎」。そう、大船渡は港町というわけで、港町にはカモメの飛ぶイメージがしっくりくるというわけです。

 しかし!市の鳥に指定されているのは、ウミネコです。これはウミネコがメジャーな鳥であることを意味しているはず。実際、近隣の岸壁や浜辺に出てみれば、目立って聞こえてくるのはウミネコのミャーミャー言う鳴き声です。はて、ウミネコとカモメって違うんだっけか?・・というわけで、違いを調べてみました。

カモメとウミネコの違い

違いその①生態

 カモメは冬を越すために日本にやって来て、繁殖のため春夏に去っていく渡り鳥ですが、ウミネコは通年で生息しています。つまり、夏になっても海に浮かんでいるやつはウミネコというわけです。

違いその②尾羽の色

 カモメは白ですが、ウミネコは帯状に黒い模様が見られます。羽を広げればはっきり識別できます。

違いその③鳴き声

 カモメの鳴き声はカラスに似ているそうで甲高い声で鳴き、ウミネコはその名の通りミャーミャー鳴きます。

 ところが、見てみると夏でもまだ2種類交じっているような・・。実は、ウミネコに交じっているのはオオセグロカモメで、カモメ類の中でも彼らは日本で繁殖するため、夏も滞留するそうなのです。

 鳴いてくれないうちは尾羽の色で判断するしかありませんが、オオセグロカモメとウミネコの区別に限定すれば、以下のものが挙げられます。

違いその④大きさ

 オオセグロカモメの方がウミネコより一回り大きいです。

違いその⑤足(後肢)の色

 オオセグロカモメの足はピンク色ですが、ウミネコは黄色です。

 これでバッチリ見分けられるはずです。

 ところで、ウミネコの方が多勢にも関わらず、なぜカモメばかりがフィーチャーされるのでしょうか。これは単純にこの辺の人たちが、十把一絡げでテキトーにカモメと呼んでいるためと思ってましたが、実際にはウミネコを含むカモメ類の総称なのだそうで。そんなわけで、ここからはカモメという名称に統一します。

おわりに・カモメあれこれ

 カモメは海にいるものという固定観念が強いですが、海を離れて10数キロ、日頃市にある鷹生ダムの下流あたりとか、お隣・住田町の有住にまで川を上ってくるカモメを見かけることがあります。山地の田んぼに浮かぶさまなどは違和感しかありません。

 かもめの玉子が出たついでに。銘菓かもめの玉子は、チョココーティングのため白色ですが、本物のカモメの卵はベージュっぽい色で模様が入っています。ただし、かもめの玉子もコーティングを始めたのは昭和39年からなので、発売当初はカステラ生地の茶色でした。やはり茶色よりも白の方がおいしそうですよね。

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