さんま焼き師が伝授する!炭火焼きさんまの焼き方

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さんま焼き師が伝授する!炭火焼きさんまの焼き方

大船渡の秋の味覚といえば、筆頭に上がるのはさんまではないでしょうか。平成25年から連続して水揚数量・水揚金額ともに本州1位を続けています。このところ深刻な不漁が続いていますが、秋の食卓を豊かにしてくれるさんまがこの先も獲れるよう祈るばかりです。

そんなさんまのおいしい食べ方ですが、とれたての新鮮なものならば刺身がおすすめですし、シンプルながら味わい深い郷土料理「塩炊き」もあるのですが、最もポピュラーなのはやはり塩焼きでしょう。グリルのほか、フライパンで焼くなんて方法もあるようですが、炭火焼きに勝る焼き方はないと断言できます。ここではさんま焼き師の資格を持つ不肖わたくしが、皮はパリッと・中はジューシーなおいしい炭火焼きさんまの焼き方についてお教えします。

準備するもの

  • コンロ:ドラム缶を2つ割りにした大型のものを使っていますが、もちろん家庭用のもので構いません
  • 網:これも家庭用で。焼く前に油を塗っておきましょう。焼き師は格子状の特製網を使っています。
  • トング:食材用に先端部分が大きくなったものよりも、長くてスリムな焚き火用の方が、さんま全体を掴んで裏返すのに便利です。
  • 水入りのペットボトル:さんまの脂で炭から炎が出るので、その火消しに。イベントでは4L入り焼酎の空きボトルを使ったりしますが、さすがに重~い。
  • 炭:岩手県産なら材の切炭が特に火持ちがいいようです!?
  • 大船渡産さんま:是非当市さんま直送便のご利用を!(笑)

下ごしらえ

さんまには多めに塩を振っておきます。家庭向けならではのテクニックですが、塩を振って浮いてきた水分をキッチンペーパーで拭き取り、腹を下にして立たせ30分ほど乾燥させると、焼いても皮が網にくっつかないそうです。

火おこし

特別なことはありませんが、しっかり火の回った炭を、熱がまんべんなく行きわたるようコンロ内に広げてください。おいしさを引き出すコツは「強火の遠火」です。

さんまを乗せて待つ

網が十分熱を持ったら、さんまを投入してください。脂がしたたり落ちてジュージュー鳴り始めるまでは、ジッと待ちます。次第に脂が落ちた場所から炎が出始めますので、ペットボトルに入れた水を炭にかけて炎を消していきます。炎に炙られると最悪さんまに燃え移ったり、コゲコゲの生焼けができたりするので、マメに丁寧に火消ししましょう。

返し

片面がほどよく焼けたら、トングで裏返します。火加減や風の有無でも変わってきますので、時間よりは見た目を目安に。お腹が黄色っぽくなってきたり、水分で泡立っていた口やおしりが落ち着いてくれば頃合いです。

焼け具合をはっきり確認するためには、トングで起こしてみますが、ここで注意してほしいのは、お腹が下にくるように90度起き上がらせること。さんまの皮は腹側が破けやすいので、皮が焦げ付いている時に背中を中心に転がしてしまうと、皮が一気に剥がれて「裸さんま」になることがあるからです。

返すときには、トングの柄をいっぱいに使って魚体を挟み込めば、身くずれを防ぐことができます。脂が網によくなじんでくれば、トングで掴まなくても、お腹が支点になるように突いて転がしてやるだけで裏返せます。

無事裏返ったら、時折起こして焼き目を直接確認するなどして仕上げてください。

返しの理想は1回で、せめて仕上げのもう1回。あまり行ったり来たりさせないのが見た目を良くする秘訣でもあります。

終わりに

いかがだったでしょうか。さんまを炭火で焼く機会はそう多くないと思いますが、上達すればバーベキューで家族や友人に喜んでもらえます。そして興味があれば、日本唯一の「さんま焼き師認定試験」を受けに、大船渡へ来てください。

最後に、諸先輩方をさしおいて偉そうにノウハウを書きましたが、私もまだまだ修行中の身なのです。

『火おこし3年 返し8年 焼き一生』なーんて。

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