大船渡を代表する銘菓といえば、市民なら口を揃えて「かもめの玉子」の名を挙げるでしょう。今や岩手・東北を代表する全国区のお土産と胸を張れるかもめの玉子ですが、ここではウンチクを交え、その魅力を紹介します。
目次
かもめの玉子とは
大手亡豆・ザラメ糖などを使った餡をカステラ生地で包み、ホワイトチョコでコーティングしたものが現在のかもめの玉子です。平成11年までは「鴎の玉子」と表記していました。
法人化前の齊藤菓子店時代に先々代が知恵をしぼり、苦心の末に観光土産として完成したのが「鴎の玉子」でした。売り出した昭和27年当時は玉子型のカステラまんじゅうで、下半分は平らだったそうです。
その後の試行錯誤により、球形のカステラを焼くことに成功し、成型機も導入されました。昭和39年からはチョココーティングされて現在の姿となります。
今では、赤崎町中井地区にある本社工場で、一日になんと30万個の製造が可能だそうです。それだけ作れることもすごいですが、そのぐらい売れているということの裏返しなわけで、それもまたすごい話です。
かもめの玉子ラインナップ
かもめの玉子には、通常のものの他にも様々なラインナップがあります。
紅白かもめの玉子
縁起の良い紅白に仕立てた商品で、紅・白とも味は通常タイプと同じです。
季節限定(いちご、ブルーベリー、栗、みかん)
春はいちご、夏はブルーベリー、秋は栗、冬はみかんと、四季折々のバリエーションがあります。
りんごかもめの玉子
国産りんごを使った商品で、餡にはりんごの果肉を使い、コーティングチョコもりんご風味となっています。
かもめのショコらん
チョコ餡の中央にチョコペーストを入れ、ほろ苦いダークチョコでコーティングしています。
かもめの玉子 ばなちょ
バナナ風味の餡の中にはバナナジャム。カステラ生地をミルクチョコで包み、カラースプレーをまぶしています。
お芋わかきも かもめの玉子
種子島産の安納芋を使用しています。ネーミングの意味は声に出して初めて理解しました(笑)。
黄金かもめの玉子
栗をまるごと入れ、クリーミーな餡で包んでいます。表面には金粉がまぶしてあり、高級感抜群です。
プレミアムかもめの玉子
半熟卵をイメージし、杏仁豆腐にマンゴーソースが入っています。カステラ製品ではないので、番外編的なイメージが。
SL銀河 C58 239
平成26年からJR釜石線で運行している「SL銀河」を記念した、石炭をイメージした黒々しいチョコレート味の商品です。
翼竜の玉子
横浜で開催された恐竜科学博とのコラボで誕生しました。餡の中心にはチョコクリームが入り、カステラ生地はココア味で、卵の化石をイメージしています。
仙台いちご日和
いちごジャムといちごミルク餡を包んだ生地をいちごチョコでコーティングした商品。仙台近郊のお土産となっているようです。
東京たまご ごまたまご
黒ごまペーストが黒ごま餡に包まれ、生地はホワイトチョコでコーティングしてあります。東京玉子本舗という関連会社の商品で、東京土産として定着していますが、生産はもちろん大船渡。知らずに買ってくると「逆輸入」と言われます(笑)。
この他にも、「ぶどう」や「きなこ」など、全体を把握しきれないほどの商品展開です。しかしながら不動の一番人気はやはり通常版、という声が多いようです。
コラボ商品
ゆりかもめの玉子
港区との交流がきっかけで、お台場銘菓として東京都民の鳥である「ゆりかもめ」をモチーフに商品化。都内での限定販売でしたが、現在は生産されていないようです。
かもめの玉子パン
岩手県内最大のパンメーカー・白石パンとのコラボで、ホワイトチョコでコーティングされたパンの中身は、黄身餡とカスタードクリーム。期間限定販売のため、現在は入手不可です。
ふんわりプチケーキ
旅行ガイドブック「ことりっぷ」とロッテの「ふんわりプチケーキ」とのコラボ商品。コーティングがないので見た目にはそれと分かりませんが、ケーキの中の黄身餡クリームにかもめの玉子感が出ています。
チロルチョコ
日本全国のご当地品の中から4品をチロルチョコで再現した「チロルご当地めぐり」シリーズの岩手代表です。ホワイトチョコはもちろん、黄身餡もしっかり再現されています。
さくらんぼのたまご
こちらは山形県にある「道の駅寒河江 チェリーランドさがえ」とのコラボ商品です。ご当地を代表する果物のさくらんぼが入ったチョコレートでコーティングされています。同道の駅の限定商品なので、お立ち寄りの際はぜひお土産にどうぞ。
おわりに
今や東北新幹線の車内販売でも買うことができる、かもめの玉子。幅広い商品展開とコラボレーションで、まだ食べたことのない種類も多いのでないでしょうか。
さいとう製菓がこれまでたゆみなく続けてきた創意と工夫で、これからもファンを楽しませる新たなフレーバーが生み出されることでしょう。