国内最古!?三陸大王杉の驚愕スペックとは

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国内最古!?三陸大王杉の驚愕スペックとは

 大船渡が誇る巨木の筆頭は、三陸町越喜来地区にある「三陸大王杉」を置いて他にないと思います。こんなすごいものが市内にあったとは、恥ずかしながら大人になるまで知りませんでした。ここでは三陸大王杉がいかにすごいか、ご紹介します。

概要

 三陸大王杉は三陸町越喜来の杉下地区にあります。いや、杉下地区が三陸大王杉のもとにあるという方が正しいのかもしれません。往時は木の樹勢がものすごく、地区全体を覆わんばかりだったということから杉下の地名がついたと言われており、町の木として杉が選定されたのも三陸大王杉の影響なのかもしれません。昭和53年には町の指定文化財・天然記念物となっています。

 杉は生育地によって、太平洋側の杉の総称「表杉」と、日本海側の杉の総称「裏杉」とに分類されるのですが、三陸大王杉は日本海側の多雪地帯に自生する変種「芦生杉(あしおすぎ)」です。

 三陸大王杉は八幡神社の境内にあり、延々と急階段を上った先の、社殿の斜め後ろに鎮座ましましています。度重なる落雷や風雪により枯死の危険さえありましたが、平成2年、町民により「老杉を守る会」が結成され、集まった寄付金により樹木医・山野忠彦氏が治療を施しました。腐りかけている部分を削り、氏の秘薬でカールコートと名付けられた塗料で傷を保護し、延命措置が図られました。現在でも灰色がかった治療痕が見てとれますが、これはカールコートの痕なのです。

三陸大王杉のスペック

 三陸大王杉と同じ呼び名を持ち、縄文杉が知られるまで「最大の屋久杉」と呼ばれていた鹿児島県・屋久島の大王杉のプロフィールは

・樹高:24.7m

・胸高周囲:11.1m

・推定樹齢:3,000年

となっています。

 そして、我らが三陸大王杉。旧三陸町が平成3年に設置した案内看板によると、

・樹高:約23m

・胸高周囲:13.6m

・樹齢:7,000年以上(推定)

となっています。

 な、ナナセンネン?森杉、いや盛り過ぎでは?

 これについては、蘇生治療を行った山野氏の診断の結果、樹齢7,000年以上の縄文杉であるとされたことから、このような表記となったものです。平成3年に環境庁から発行された「日本の巨樹・巨木林 北海道・東北版」によると、推定樹齢は「伝承1,500年」と記載されているようです。省庁が科学的にではなく伝承で樹齢を推定とは、なんて思ったりして・・。

 また、文化財指定の際の名称は「老杉」でしたが、山野氏の命名により「三陸大王杉」という、その姿にふさわしい立派な名前がついたのです。

まとめ

 ともあれ、どちらが古くてどちらが上だとか、そんなことは大した問題ではありません。樹種も環境も違い、一概には比べられないものの、国内でも有名な杉と並べても遜色のないサイズ感に、その凄さが伝わってくるというものです。

 三陸大王杉は、三陸鉄道三陸駅から徒歩で10分ほどの距離にあります。まずは一目見てみることを強くおすすめします。数字では伝わらない、見る者を圧倒するようなスケール感に驚きの声をあげること間違いなしですよ!

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