寒い季節が来ると無性に食べたくなるものの一つが大判焼です。ここでは、大船渡の老舗である正和堂(しょうわどう)の大判焼をご紹介します。
こんなお店
気仙界隈で大判焼と言えば、今はなき住田町の三尾商店謹製「銀つば」が超有名でしたが、大船渡では正和堂をおいて他にないでしょう。
盛町の木町にある正和堂は、0と5のつく日に開催される朝市で有名な「木町市場」の並びにあります。正和堂はプロパンガスの販売も手がけていますが、こちらの店舗では正和堂茶舗の名前でお茶の販売を中心に、夏はかき氷、冬は大判焼と、季節に応じたおやつの販売を行っています。
いわゆる市場通りに位置するだけあって立地条件は良く、普段から人気のある通りに面しているため、買い物のついでや通りすがりに立ち寄る方も多く、朝市の催される日を中心に昔ながらの味を求めて人が集まります。
店舗の外観はトタン外壁の質素な佇まいで、木町市場の一部のようにすら見え、市日では地元のおばちゃん方の出店に溶け込むようになじんでいます。まさに昭和の趣きを醸し出しているお店なのです。
店内には茶器や茶葉の並んだ長いガラスケースがカウンター代わりに設置され、対面販売をしています。大判焼を製造するスペースは仕切られおり、その中で御年80を超える店主の小嶋ユウ子さんが一人で切り盛りしています。入院などで休業する年もありましたが、長く元気でこの昭和レトロなお店を続けてほしいと思います。
大判焼の食レポ
時おり思い出しては無性に食べたくなるのが正和堂の大判焼。今回はダメ元と思いながら通りかかってみたんですが、正月の三が日だというのに開店してました。ありがたい!
秋冬に出てくる大判焼は、つぶあんとクリームの二本立て。昔は100円もせずに買えたものでしたが、原材料の値上げや消費税増税などの影響を受け、じわりじわりと値上がりして、現在は1個130円に。これも時代の流れというものですが、店のファンにとってはどうということもありません。
大判焼を注文すると、レトロ感のある白い紙袋に入れて手渡されます。この紙袋を手に、朝市を練り歩きながらほおばるのがこの店の楽しみ方と言えます。
つぶあん
定番にして一番人気、といっても二択ですが(笑)。正和堂の大判焼の特徴は弾力のある生地にあります。気仙地方に伝わる家庭おやつ「なべやき」の生地を思わせる食感で、外周のもっちりしっとりした皮の食べ応えが無性に食べたくなる要因ではないかと。
中のあんの量は、あんこ好きな甘党には物足りないかもしれません。ひょっとすると、一口ほおばったぐらいでは、あんにたどり着かないことすらありえます。個人的には、皮の味と食感を、ほどよい量のつぶあんと共に楽しめるので、絶妙にバランスが取れていると思います。粉物をグイグイ飲み込むのが好きな方なら食べてみてほしい一品です。
クリーム
つぶあんに次ぐ人気と思いきや、品切れが多いのがクリーム味。食べ応えのある、もちもち生地の中に入っているのはカスタードクリーム。甘さは強くなく、つぶあんに比べて控え目な存在なので、もうちょっと増量してくれたら嬉しいかなーと。
正和堂では、夏場はかき氷を売っています。昔ながらの機械を使ったふんわりした氷に、これまた昔ながらのフルーツシロップをかけた一品。昭和レトロを感じられる空間で一服の涼を求めてはいかがでしょうか。
まとめ
・朝市を見て回りながらの食べ歩きがおすすめ
・生地に対してあんは控え目。粉物好きな方は是非!
・クリーム味は品薄。お買い求めはお早めに。
基本情報
住所:盛町字木町8-18
電話番号:0192-26-2085
営業時間:9:30頃~17:00頃
定休日:不定
駐車場:なし