椿の北限!?
大船渡市の花と言えば、椿です。「椿の里」を標榜するだけあって、市内のいたるところにヤブツバキが咲いており、大船渡は「ヤブツバキの」「実が取れる」「太平洋岸の」北限となっています。かなり限定的な北限です。
日本最大・最古の椿!?
また、末崎町にある熊野神社には、樹齢なんと1,400年と伝わる日本最大・最古のヤブツバキ「三面椿」があります。神社が創建された際、境内の東・西・南の三面に植えられたことからこの名がついており、東側にある椿の木が唯一残っています。
ただ、熊野神社の創建は鎌倉時代の1246~1256年だとか1264年だとか諸説あることから、神社が建てられてから800年弱、そのとき植えた椿が1,400年、てことは何だか計算がムニャムニャ・・。
それはさておき、三面椿は根本から13本の株に分かれており、そのうち2本が失われ太い株跡だけが見られます。根元の周囲は約8m、高さは約17mで、大きく張り出した枝ぶりも見事な堂々たる巨木です。昭和44年には県の天然記念物に指定されています。
しかし、昭和45年の台風で支幹の1本が、平成14年の台風では主幹が2本折れ、さらに平成21年6月にも倒木があり、現在では樹形の半分ほどが失われた姿になっています。
椿オンリーの観光施設
三面椿のある末崎町には、日本でも珍しい椿の施設である「世界の椿館・碁石」があります。世界13か国から550種の椿を集めた、見ごたえのある展示となっており、椿が見ごろを迎える1月後半から3月上旬に合わせ、「つばきまつり」というイベントも開催されます。
大船渡のキャンギャルも椿がモチーフ
さまざまなイベントで大船渡の魅力をPRする女性3人組、それが「大船渡つばき娘」です。令和3年現在で23代を数えるつばき娘は、地元大船渡を愛する若い女性で構成され、椿を連想させる赤を基調としたデザインの衣装をまとっています。
普段は皆さん市内企業で働いているため、PR業務は休日など仕事の合間を縫って行っています。大船渡を盛り上げようという気概がなければ務まらないボランティアワークといえます。
椿の料理も
知る人ぞ知る、椿をモチーフにした料理、その名も「椿寿料理」。とは言っても、椿の花や椿油を料理に使っているということではなく、椿という文字を使った、稀なほどの長生きを意味する「椿寿(ちんじゅ)」にあやかって、地物を使ったヘルシーでおいしい長生き料理というコンセプトです。
現在どこで食べられるかと思って調べましたが、もはや椿寿料理の名で出している店はなさそうな気が・・。
市内のヤブツバキ分布
市内にあるヤブツバキ成木本数(平成27年現在)は7,697本だそうで、内訳は以下のようになっています。
盛町:80
大船渡町:286
末崎町:3,320
赤崎町:1,047
猪川町:233
立根町:1,246
日頃市町:474
三陸町綾里:183
三陸町越喜来:574
三陸町吉浜:254
合計:7,697
末崎町が抜きんでており、半数に迫る数字となっています。知りませんでした。
椿関連のビッグイベント
「全国椿サミット」なる会議が国内持ち回りで行われており、大船渡では平成12年に開催されました。
平成23年3月にも予定されていましたが、こちらは東日本大震災のため中止となっています。
その後、令和4年3月19・20日の日程で、大船渡でのサミット開催が決定しました。全国から椿関連団体の代表者が集まり、総会や講演会が催され・・るはずでしたが、コロナ禍によりあえなく中止となりました。
椿で大船渡が熱く盛り上がることをイメージしていましたが、本当に残念です。早くこの苦境を乗り切って、三度目の正直といきたいものです。
おわりに
大船渡市の花である椿についてご紹介してきました。椿は海の幸とともに、大船渡観光の重要なテーマとなっています。椿に彩られた大船渡へ、椿の咲く季節のみならずお越しください。